フェアード 人間工学への取り組み

人間工学は業務上の安全や職業病予防に対して非常に重要な側面を持っています。作業者が快適に業務が遂行できるように、また彼らの健康を損なわないために、労働環境をより良いものにする取り組みは必要不可欠なものです。

 

フェアードはハンドツールのメーカーとして、作業の安全性、快適性や作業者の健康状態の改善に貢献する義務があると考えています。フェアードでは4つのピクトグラム(絵文字)を用いて、それぞれの工具が他社製品と比べてどのように優れているかわかりやすく提示しています。



フェアード製品は、ユーザーに優しい切削・研磨工具の開発を目指しています。

フェアードの人間工学は、人の現場作業に基づいた科学です。その主な目的は、ユーザーがより快適に作業を行えるよう、最適な切削・研磨工具やグラインダーを開発・提供することです。人間工学はユーザーのご要求に応える為に、健康と安全性、コストパフォーマンスを改善させる上で非常に重要です。

 

フェアード 人間工学のメリット

■じん肺など病気や怪我のリスクが減る

■あらゆるストレスが軽減され、長時間の作業が楽になる

■様々な手間が排除され、作業時の煩わしさがなくなる 


人間工学 4要素

ユーザーは長時間、特定の仕事を遂行しなければならない状況でも、安全の確保が必要です。切削・研磨工具メーカーとして、ルゲベルク社は作業現場におけるユーザーの安全、健康、快適性に貢献して参ります。フェアードは、各切削・研磨工具を使用した際の

・振動

・騒音

・粉塵

・感覚(その他)

に着目し、長期的な改善に取り組んでいます。



振動

作業時にグラインダーのハンドルから、ユーザーが受ける振動を指します。これら振動は、血液の循環や骨、関節、神経、筋肉、背中や脊椎に悪影響を及ぼします。振動を軽減することで、手のしびれやレイノー病を防ぐことができます。


振動が及ぼす人体への影響は、その周波数と強度によって程度が異なります。周波数が低い場合、筋肉や骨、関節への悪影響があります。周波数が高い場合、血管系や神経系への悪影響が大きくなります。振動の強度が小さい場合、人体への悪影響は小さくなりますが、作業が辛くなり、生産性が落ちます。

 

2002年、欧州議会はEC 指令 2002/44/ECを定めました。これは、作業時に伴う物理的な危険を被る可能性がある労働者に対し、最低限の健康・安全を確保するための要求事項、取り組みです。この指令では、暴露対策値および暴露限界値が規定されています。雇用者は、作業現場における振動の暴露値を測定する必要があります。手持ちグラインダー等、もしくは体全体が受ける振動暴露がある場合、その作業現場は労働者が危険を被る可能性がある場所だと認識されます。

 

振動を測定する際、振動を受ける時間および強度を求める必要があります。振動暴露の時間は、参照値は8時間となっています。作業した場所、グローブ等の緩衝器具の有無に関わらず、当指令に従うことが求められます。雇用者は振動暴露のレベルを把握、モニターし、必要な場合は治療処置をとることが求められます。

 

手持ちのグラインダー等で暴露対策値が2.5 m/s² を超えた場合、どの程度振動のレベルおよび時間を削減する必要があるか、雇用者は対策案を報告する必要があります。暴露限界値である5.0 m/s² に達した場合、該当する作業から労働者を外す必要があります。上記は、体全体の振動についても適用されます。


ノイズ

作業時に発生するノイズです。ノイズによって、難聴等、健康への悪影響があります。聴力低下は、労働による健康被害の中でトップだと統計で発表されています。ドイツでは、約500万人の労働者が、難聴のリスクに曝されています。  


大きな音量の音楽や道路の騒音等は、聴力に影響を及ぼします。騒音を受けると、鼓膜から振動が効率的に伝導しにくくなります。作業現場において、長年ノイズを受けると聴覚器官にダメージが蓄積され難聴となり、低下した聴力は元に戻りません。

 

聴覚は人間の五感の一つであり、情報がインプットされる重要なものです。したがって、ノイズによって集中力の低下や疲労の蓄積、作業効率の低下、注意力の散漫、コミュニケーション力の低下等が起こります。難聴は治療してもあまり回復しないため、聴覚保護は非常に重要です。

 

騒音レベルの測定には、特殊なフィルターが用いられます。これは「Aフィルター」と呼ばれます。音の強度はデシベルで表されます。2003年2月、欧州議会および欧州理事会は、EC 指令 2003/10/ECを定めました。この指令では、労働者の受ける騒音暴露限界値が定義されています。騒音の削減について、技術的な対策をとることに重点を置いています。

 

ドイツでは、騒音に関する指令において、低トリガー値を80 dB、高トリガー値を85 dBと区別しています。

 

ノイズが低暴露対策値を超えた場合、雇用者は聴覚保護具を労働者に支給する必要があります。高暴露対策値に達する、もしくは超えた場合、聴覚保護具を使用する義務が発生します。作業現場において、ノイズの主な発生源はグラインダー等の機械なので、それらに対してノイズの削減処置を施すことが重要です。


粉塵

切削・研磨時に排出されて空気中に舞い上がる粉塵を意味します。作業現場には粉塵が飛散し、外部より空気が悪く人体に多少の影響があることは明らかです。人体に対する粉塵の影響を考慮する際、粉塵の粒径および汚染の性質が重要になります。


粒径10 μmより大きい粉塵は粗粉塵と呼ばれ、鼻毛や粘膜によって捕えられるため、体内に侵入しにくいものです。これより小さい微粒子は、気管から肺に侵入します。このことから、これら微粒子は吸入可能粉塵、呼吸性粉塵と呼ばれます。

 

粉塵に関する内容は、有害物質指令(GefStoffV)、有害物質の技術規則(TRGS)に基づいています。


感覚(その他)

被切削材料表面の温度、ハンドルの握り易さ、グラインダーの重さ等、手で触れた時の感覚(温度、形状、重量等)を表しています。